04月11日(日)
<あと34日>

板材の切り出しと仮組み

「プロトラクター」という器具です。


日本時間の4月9日(木)夜、日本中を震撼させる事件が発生しました。「イラクで3人の日本人が人質になった」とカタールのアルジャジーラTVが放送したのです。この原稿を書いている今現在(4/15早朝)、事件は解決していません。それどころか「新たに2人の方も拘束か」との情報も入りました。月並みな言葉で恐縮ですが、5人の方々の無事を祈るのみです。

当研究室助手は本業がマスコミの端くれですので、この一連の事件により日曜・月曜の休日が無くなって泊まり勤務も発生しています。このため自宅でのプライベートタイムが激減し、製作計画に大幅な遅れが出ております。今回フルスクラッチしている物は、この事件に無関係とは言い切れない微妙な立場の車両です。しかしここでは、「あくまでも模型製作という観点のみで進めている」事をあらためてご了承いただければと願います。

シャーシのメドがたったので、いよいよ車体上部の本製作に入ります。今回使用する部材は「プラバン」ではなく「プラボード」です。これはプラバンとスチレンボードの丁度中間の特質を持っており、“厚みがあって軽いが、そこそこ強度がある”というものです。タミヤからは3mm厚と2mm厚の物が発売されていますが、今回はビス留めを考えているので3mm厚を使用します。

基本的にパーツはすべて直線的なものばかりですので、パーツ図面をコピーしてプラボードの上に置き、それぞれ頂点をニードルで上から印をつけて図面を写し取ります。そしてP・カッターで丁寧に何度も切り目を入れて切断します。プラボードは確かに厚みはありますが、プラバンに比べるとはるかに加工がしやすいので、切り出し作業は割とスムーズに進みました。

今回の箱組みは垂直な角度が一切ありません。そこで先日厚紙で作った仮組み模型のそれぞれの角度を「プロトラクター」という器具で測定して反映させます。この器具は先月末に帰省した時に実家の近所のD.I.Y.店で偶然発見し購入したものです。いつも思うのですがD.I.Y.店は、東京より地方のお店の方がはるかに品揃えが充実していますよね。

測定した角度を元に箱組みをしていくのですが、各パーツのエッジも斜めに削らなくてはなりません。そこで登場したのがなんと鉋(カンナ)。プラボードとの相性もまずまずで、慣れてくれば非常に重宝します。これまたマスキングテープで仮留めして組んでみました。

この後の作業ではいよいよ本組み立てに入るのですが、果たしてネジ留めが本当に出来るのか端材を使って実験したところ非常に良い結果が得られました。この過程でもちょっと変わった器具を使用していますが、これは次回に紹介します。

なお、今回の一連の製作過程においては、既にご紹介している「野沢スクラッチ」さんに随時電話で相談にのってもらっています。この場を借りて改めて感謝の言葉を述べさせていただきます。ありがとうございます!

(2004/04/15)


B4サイズです。今回は3mm厚を使用。 ニードルで写し取った頂点を結んでラインを引きます。
意外にもカンナは重宝します。 こんな角度も、5回ほどカンナをかければ・・・。
マスキングテープによる仮組み立て。 端材でビス留めの練習。大成功。