04月05日(月)
<あと40日>

ホイルの装着

この自作パーツが大きな意味を持ちます。


本日の目標は、キングハウラーのホイルを、今回のシャーシであるXR311のシャフトに装着することです。

XR311は古典的名作でして、当時の5点ネジ留めがそのまま再販されています。一方、キングハウラーは6点ネジ留め(3点はダミーのポッチであることが判明し、実際は3点留め)ですので、いかに装着するかが大問題です。幸いな事にメインシャフトの直径が同じであるため、車軸の中心がブレる心配はありません。

正五角形ですので、一瞬「分度器で72°を計測して図面を引いて」と考えたのですが、世の中で一番正確なXR311のホイルの穴をガイドにしてそのまま写せば良い事に気付きました。この5点の穴は、キングハウラーの3点のボルト穴に比べてかなり内側にあるため干渉しない事がわかったのですが、新たな問題が発生します。それはキングハウラーのホイルの内側にあるドーナツ状に盛り上がった突起(リム)の存在です。

実際にピンバイスで開口してみると、わかっていたことですが丁度リムのフチに穴が開く事になります。これではビス留めが出来ません。リムをすべて削り落とせばいいのですが、平面を出しながらの切削作業は高度な技術を要しますし、強度を考えると出来るだけ厚みは残したいところです。

そこで第2の案として、同じ高さの一回り大きなドーナツ状のパーツを作って周囲を覆い、新たに5箇所の穴を開口すれば良いことがわかります。しかしこれだけの厚さのドーナツ状のパーツを4個も自作するとなると、サークルカッターなどを持たない当研究室助手の技量ではかなり厳しいことも容易に想像がつきます。

そこで先ほどと同じ考えで、図面を引いて自作しなくても、“現在あるもの”を流用すれば良い事に気付きました。他でもないXR311のホイルパーツです。ここには正確な5点の穴が既に開いています。念のためノギスで測ってみると、その部分はドーナツ状のパーツより0.2mm程厚いことがわかりました。これならヤスリを掛ければピッタリです。

後は切り出したパーツのさらに内側を慎重に精密ニッパーで削っていくだけですが、途中の形がなんだか色々意味があるようで、ちょっとした息抜きになりました。かつて「かのーさん」が余った金属パーツを使って4コマ漫画風のコーナーを作っていらっしゃった気持ちが、今になってよくわかりました(^_^;)。

色々あったのですが、満足度120%の出来で、ガッチリとホイルを固定することが出来ました。いつも思うのですが、後から書いてみるとなんでもない事ですが、やっている本人は真剣です。机上であれこれやるより、実際に手を動かす中で発見することも大切という事を身をもって経験した過程でした。

(2004/04/07)


ホイルの比較。左:キングハウラー、右:XR311 XR311のホイルの5点穴をガイドに印をつけます。
3点のポッチも削り落とし、印をつけた状態。 ちなみに表側はこんな感じ。邪魔な物が色々ありそうです。
太さを2度変えてピンバイスで開口。 わかっていたけれど、こんなところに穴があきます(^_^;)
5箇所を開口し、モールドの六角ボルトを削り落とします。
この六角ボルトの破片は後々使えそうです。
角型彫刻刀で表面のメッキを剥がしました。
この中央のドーナツ状の突起をどうするかですね。
そこで、XR311のホイルを惜しげもなく破壊(?)します。 クラック(ヒビ)が入らないように内側を削り始めます。
この桜状の形は!?ヒミツの作例の大ヒントに! 精密ニッパーで慎重に削っていきます。
完成です!ちなみに隣は加工前。 この自作パーツをスポツとはめると高さが均一に!
ワッシャーを噛ませて、金属ネジの5点留めです。 裏側はこんな感じ。ガッチリ固定されました。
ついに基本シャーシが完成! 厚紙の仮ボディーを載せてみます。