5月13日(金)
<あと1日>

最後の追い込み

全体の塗装を終え、同スケールの作業員の人形を置きます。
柏崎刈羽の建屋に入ったばかりでしたので自分では理解しているのですが
予想通りこのスケール感は大きな反響を呼びました。


この模型は事故前の平時の再現なので、今から見れば使用済燃料プールの水位が
低すぎることがわかります。燃料集合体の長さ(高さ)の倍以上の深さは必ずあります。
事故の時は3号機、4号機でこの水位がわからず深刻な問題になりました。
中央の茶色いフタがあるのが圧力容器。核燃料も中にあります(銀色の集合体)。
黄色い配管は炉心スプレイ系でシャワーのように冷却水が出るはずでした。
巨大なフラスコ型の容器が格納容器。緑色の配管は循環用のジェットポンプです。
圧力抑制室のドーナツはこんなに巨大なのです。水の表現はDVDケース。
たった1枚の図面と、ネットで拾った天井クレーン画像を元にプラバンでフルスクラッチです。
金曜日の夕方にとりあえず形になりました。
外壁の模様は、本物の画像を静岡クリエイトのプラ子さんにメールで送り
イラストレーターでトレース&リプレイスしたデータを送ってもらいました。多謝!
大型クレーンです。4号機が吹き飛んだ時に、その緑色の巨体が見えました。
鉄道模型用の赤いコーンや黄色い工事バリケードがアクセントになります。
燃料取り出し用クレーンです。
2013年11月に4号機で燃料取り出しが始まったものと基本的に同じ構造です。


最後は本当に追い込まれていて全く写真を撮っていませんでした。勤務を終えてからの深夜・早朝に作り続けたはずですが記憶もろくにありません。

最後の工程で残っていたことは外壁の処理でした。当初は塗装も考えたのですが、模型としての美しさを考えると印刷が一番です。事故前の原子炉建屋をほぼ整体した撮影画像を入手していたので、それをアドビイラストレーターを使ったらプロ級の静岡クリエイトのプラ子さんにあらかじめ送ってあり、トレースをお願いしてありました。間に合わせることがプライオリティですので、お願いできる方には甘えさせていただきました。歪み補正やノイズ補正し、1/144に縮尺して切断用のトンボまで入ったデータが数日で送り返されてきて、こちらでは印刷するだけでした。改めて、プラ子さんありがとうございました!

仕上げとして鉄道模型の同スケールのストラクチャーをいくつか流用します。赤いコーンや黄色い工事用バリケードは良いアクセントになりました。最後に作業員を配置して完成です。

(2014/01/15)