5月09日(月)
<あと5日>

マスキングと床の再塗装

なんとかテクスチャーペイントが乾いたのですが、はみ出した部分がガッチリ下地に食いついて
取れません。結局削り落としてヤスリ処理してスカイのエアブラシのやり直しになりました。
使用済み燃料プール周りはもう一度テクスチャーペイントの塗り直しです。時間は午前3時
このあとやってくる膨大な量のマスキングは友人アラーキー氏からプレゼント交換でもらった
10色マスキングテープを使用しました。なんでもないことなのに精神的に助けられました。
睡眠時間は3時間ほどで起床し、出勤前に床と壁をマスキングし明灰白色をエアブラシ
コンクリートの断面に見えてきたので満足しマスキングを剥がしてから出勤です
あろうことか、その日の東京電力会見で初めて1号機原子炉建屋内部の画像が公開されました
「2階」とキャプションが打たれた画像を見ると床はコンクリートのままです
深夜に帰宅してマスキングを最初からやり直さなくてはなりません
気落ちしたからか壁面の奥まったところにマスキングテープが貼れない・・・そこで
こんな道具を使えば、奥まった壁の一番奥で1カ所貼り付け、そのまま手前に持ってくれば
まるでそれまでの苦労が嘘のように簡単に貼れました
これで壁のマスキングは大丈夫。このあと1階〜4階の床に明灰白色をエアブラシします。


ただひたすら作ってきましたが、5日後に完成品を静岡に持って行くには絶望的な状況になってきました
まず出来る事は睡眠時間を削ることです

月曜の午前2時までかかってテクスチャーペイントが乾いたのを確認して、一部床などにはみ出した部分をポロッと落とすつもりでした・・・え?あれ?・・・ガッチリ固定されて全く取れません。仕方がないのでナイフなどで削り落とすのですが、キレイにプラバンを貼ったはずの床にどうしても跡が残ってしまいます。それどころか茶色のテクスチャーペイントだったことも災いして、何箇所も汚れのようになってしまいました。テクスチャーペイントの性能が良すぎたことと、一切テスト無しで使ったことが原因でした。

しばし考えます・・・どうする? このまま目をつぶるか?時間はないぞ、
でも表面処理はキモにしてここまでやってきたはずだ・・・

結論は床にもう一度サンドペーパーをかけ直して表面処理し、スカイ色を再びエアブラシすることになりました。ついでに使用済燃料プールの断面周りにもう一度テクスチャーペイントを塗って修正しました。時間は深夜の3時です。

3時間ほど仮眠をしてから床と壁のマスキング開始です。本来は大きな面積は紙で覆い、その周りをマスキングテープで留めるべきなんですが、とにかく時間がありませんし、精神的に追い詰められていました。こんな時に思い出したのが、友人のアラーキー氏からプレゼント交換でもらっていた10色マスキングテープです。これならカラフルに大量に使えるので気分転換になります。おそらくこれは経験した人でないとわからないと思います。何でもない色の違いが精神的に癒され、どんどん貼っていけました。

無事に床と壁のスカイ色をマスキングしたら明灰白色をエアブラシして、ここで初めてコンクリートの断面処理がリアル感を増してきました。これに気を良くしてマスキングを剥がして作業終了し出勤しました。

仕事は東京電力の定例会見の取材です。休日も平日も全て原発一色です。

そしてなんというタイミングか、この日の会見で初めて1号機原子炉建屋の1階と2階の内部画像が2枚公開されました。

これを見てびっくり、床はコンクリートの打ちっぱなしのままであることが判明したのです。私の経験は柏崎刈羽のオペレーティングフロアで見た光景げベースになっていますが、考えてみれば作業の内容から考えてもオペフロ以外はコンクリートの打ちっぱなしの方が効率的です

また考えます・・・どうする?このまま目をつぶるか?時間はないぞ
おそらく気づく人はいないはずだ・・・

やっぱりそれはできません。私が作っているのは正確に再現した原子炉建屋模型なのです

深夜に帰宅してから作業にとりかかります。壁面のみをマスキングすればいいのですが、狭い奥まったところにマスキングテープを貼れないのです。前回は床もマスキングしたのである程度はみ出して貼っても同じだったのですが、今度は床と壁の境目を正確に貼り分けなくてはなりません。焦りからか何度やっても上手く行かないのです。

片方を棒の先の様な物に貼り付けて、そうだ、よし、少し出来そうだ。待てよ、手前にも浮かせるようにしてあらかじめ棒に貼って、奥に伸ばせば・・・あ、出来る!面白いように出来る!!

今から思い起こせば不思議なことをやっていましたが本人は真剣でした。割り箸1本で救われました。

(2014/01/14)