(船、飛行機、その他編)
2000年のうちに全3巻を出してしまおうという試みがホントに実現しました。「田宮模型全仕事1」は5月の発売だったので、読者の皆さんから見ればわずか4ヶ月で3冊揃ってしまったことになるのですね。正直言ってこの「田宮模型全仕事3」が一番大変でした。 「船、飛行機、その他」とありますが、「船」の中の木製模型と「その他」が特に難解です。「その他」にはタミヤから非常に短い間しか発売されなかったSFキット等も入ります。ジョー90マックスカー、スーパーカー、地球防衛軍ジュピター2号、アタックファイブ、U59ワイルドキャット6輪装甲車...そして幻の発泡スチロールキットの数々。未組立のキットはなんとか見つかるのですが“完成品”が無いのです。結果的にはこのHPを通して知り合った沢山の方々にご協力を頂きました。自ら手持ちの貴重なキットを「こんな光栄な機会は2度と無い」と快く組んで下さったねこにいプロダクツさん、Tachikawaさん、タミヤの船ファンさん、らふろいぐさん、けんたさん、無理な納期をものともせずに素晴らしい作品を組んで下さったGamoさん、たばささん、密かに今回の目玉であるキットをあっさりと快く供出して下さったあうとばぁんさん、貴重なSF探検車を完成させるためにデカールをCP処理で再生して下さった十川俊一郎さん(結局タミヤからオリジナルが発掘され使いませんでした。申し訳ありません)、マックスカーシリーズのすべての完成品を快く貸して下さ り、膨大な資料提供にも気持ちよく応じて下さった伊東秀明さん、ネットで知り合ってまだお顔を拝見したことのない方も含め、まだまだ多くの方々の協力を頂き、とても限られたこのスペースでは紹介し切れません、本当にありがとうございました。別ページに協力者一覧を公開させていただきました。本の巻末にも皆さんの名前を載せましたが、なまじ本名なので誰が誰か判らない楽しさもありますね。 静岡のタミヤ歴史資料館には、地元の艦船模型クラブの方々のご好意で寄付された膨大な量の木製艦船が展示してあります。タミヤがプラスチックモデルメーカーになる前は木製艦船模型の国内トップメーカーであったことはご存知の方も多いと思います。この木製艦船模型は1960年(S35)前後の発売となり、資料は皆無といっても良いほど残っていません。熱意では誰にも負けないつもりの助手も細部はお手上げです。そこで実際に多数の木製模型製作の原体験があり、艦船模型の造詣の深さでは日本で有数の伊東直一氏を招くことが出来ました。氏の熱意で見事に木製模型は分類され、その解説文からも木製艦船模型の体系を読みとることが出来ると思います。 また、トピックスとしてタミヤのボックストップを飾った「箱絵師伝説」があります。助手は上田毅八郎、平野光一、大西将美、上田信の4人の画伯を担当し、改めて全員にお会いしてタミヤへかける熱い思いを聞くことが出来ました。今まで語られることの無かったタミヤとの出会いなど興味深い話が多数出てきました。小松崎茂、高荷義之の両画伯は当然のごとく平野編集長が担当です。 個人的なことで恐縮ですが、助手のファーストタミヤキットであるミニジェット機シリーズは、たってのお願いで助手が解説文を書いております。このミニジェット機シリーズを立ち上げた当時の担当者である杉田悟氏(現SWEET社長、あの1/144マッキのメーカーです)にも取材が出来ました。「タミヤは当時小さな会社でしたが、この俊作さんについていけば世界一になれるという確信みたいものがありました」といった当時の熱気が伝わる言葉に、この研究を続けていて良かったとつくづく思いました。助手はさらにSFキット全般の解説も担当しております。 巻末には1〜3巻通しての五十音順のインデックスがつきました。3冊揃えばエンサイクロペディアの完成です。 (2000/09/25) |