1/76 エーダイ V-2ミサイル
(高荷義之画伯作例もお借りして・・・)

青空のカキワリまでお借りしてスタジオ撮影。畏れ多くも高荷画伯作品とのコラボです


当研究室助手は小学生時代に一時期ミニスケールのAFVにはまっていました。一番大きな理由は小学生の財力で買える金額という事だったわけですが、フジミ1/76をメインにハセガワ1/72もかなり作りました。田舎に育ったため、海外キットなどは夢のまた夢で、国産の限られたキットの中で暮らしていました。ある日、エーダイの1/76シリーズの8トンハーフトラックと88mm砲のキットを初めて店頭で見かけたのですが、ハセガワやフジミのキットに比べて部品数が劇的に少なく(当時は部品数が多ければ良いキットと思っていた)、フィギュアの出来があまりにもナニだったので、完全に対象外となっていました。元々はウォーゲームの駒の役割も考えられていたのかABS樹脂製のスナップキットで、安価で部品点数も数点のみというものばかりでした。

そんな中、1973年8月に突然発売された「秘密兵器V-2号」はまさにカルチャーショックでした!それまでのエーダイとは全く違います。ABSではなくスチロール樹脂で接着剤も使えます。メインのV-2ミサイルとランチャーだけでなく、大型牽引車、装甲観測車や大型レーダーなどまで入っています。当時小学5年生の夏休みですので、完全にど真ん中のキットになってしまいました。どうやって買ってもらえたのか記憶に無いのですが、原体験であっとうまに作りました。

アーマーモデリング誌に連載してた「田宮模型歴史研究室」と隔月交代で連載していた「戦車模型歴史研究室」にエーダイ1/76シリーズを取り上げたのは、ひとえにこのV-2ミサイルを紹介したかったからで、2003年10月発売号でそれが叶いました。まずなんといってもボックスアートを描かれた高荷義之画伯のご自宅におじゃましての取材です。興味深い話がポンポン出てくる中、「ちょっと待ってね、確かあったはずだから」とアトリエに引っ込まれた画伯が手に持って戻って来られたのは、まごうこと無いエーダイ1/76のV-2完成品そのものでした。

「!!!!」テストショットをおそらく組まれたのではないかと思いますが、まさに当時の作品です。ボックスアートと同じタッチの塗装の高荷3D作品なのです!!!そんな中、見慣れないものも出て来ました、タンク車です。「ああ、これはね、ホントはキット化するはずだったんだけど出なかったんだよ。元々はエーダイの人が来てね、V-2をやりたいので図面を描く方を紹介してほしいというから、僕が紹介したんですよ。それでこれはキット化されなかったんだけど、図面は出来たんだね。だから僕が後から作ったんですよ。タンクは何かって?ガシャポンのケースですよ。オモチャ屋の前にいっぱい捨てられててやつだけれどサイズを測ってみるとピッタリで・・・」いやはやなんということでしょう。

興奮冷めやらぬまま、畏れ多くも高荷作品の完成品までお借りして東京に戻りました。こんな素晴らしい完成品があるので、私ごときが何も作るものが無くなってしまったのですが、無塗装の素組みの他に、当時の小学生が作ったと思われるジャンクも持っていたので、こちらは少々改造して豪華に3台揃い踏みをやってみました。

撮影用のスタジオに持ち込み、ジオラマ撮影です。高荷画伯からお借りしたタンク車に液体酸素のホースを繋ぎ、燃料補給中を再現しました。撮った画像をフォトショップで加工して蒸気などを描きこんでみました。また別の大型ジオラマベースに並べ替えて、お約束の高荷ボックスアート再現もやってみました。考えてもみて下さい、ご本人が塗装された完成品を使ってのジオラマ撮影です。こんな贅沢な撮影が世の中にあるのでしょうか?役得とはいえ堪能させていただきました!

(2014/03/21)


複数台作るので、シコシコとピンバイスでレーダーを開口しました。
この塗装はどうしてもやりたかったので実行に移します。
迷彩塗装版も資料を参考にエアブラシで
これは!!! なんと高荷義之画伯が発売当時(1973年)に作られたそのものです!
高荷画伯自宅にて(2003/09/05)
高荷画伯ご本人の筆塗り完成品です!!!!!!!!
なななな!なんと!高荷画伯のフルスクラッチ!!
ちなみに実車の画像はこんな感じ
牽引トラクターは単品発売も検討されていました。製品化の青図です!!!!!
装甲発射コントロール車の図面です!
これがエーダイV2ミサイルの元となった青図の現物です!
高荷画伯自らの筆塗りミサイルをジオラマ台に置いて撮影
東京のスタジオに移動して撮影。畏れ多くも高荷画伯のトレーラーに引いてもらう我が拙作
中央の高荷画伯作品と合わせて、豪華にV2ミサイルが3基!!
スタジオでこんな感じにレイアウト。レーダーを置きたいだけでドイツ秘密基地が・・・
高荷画伯スクラッチのタンク車からホースをミサイルに接続。フィギュアはプライザー社製。
こんな感じになりました。
当時の記録写真からもミサイルに直接梯子を掛けていたことが確認されています。
でもって、この画像をベースにフォトショップで加工します
モノクロ、表面荒処理をして、蒸気、作業員手袋を描き込みました。
ところで別の大型ジオラマベースを用意して、お約束の・・・
そう!高荷ボックスアート再現です!ご本人塗装の模型です!!
TAC宮本監督のリポートにあるボックスアートと比較して下さい