1/16RCフルオペ タイガーT
(「オーナーズミーティング2002」参加作品)

誰が作ってもフルオペレーションタイガーTを完成させられます!さすがタミヤ!!


2000年9月21日。幕張メッセで開催された「第40回全日本ホビー模型ショー」で衝撃的なデビューを飾ったRC1/16フルオペタイガーTの衝撃は今でも忘れられません。ただでさえ新設計の巨大なタイガーTが出ただけで大変なことなのに、1998年12月に発売された「リニューアルRC1/16M4シャーマン」で採用されたDMD(デジタルツインモーターディファレンシャル)制御により、実車同様にゆらっと動き出し、なおかつ実車音源をデジタルコントロールしたエンジン音まで出る迫力満点の車体の完璧なフルコントロール操作だったのです。特筆すべきは全く新しい発想で設計された赤外線バトルシステムを搭載することにより、複数車両で擬似対戦が出来、被弾するごとに操作性が落ちていき、最終的には停止して撃破されるという事ができるようになったのです。当時リアルタイムで大感動した当研究室助手は興奮冷めやらず、撮影してきた画像を「研究室ニュース」として業者公開日当日夕方に全世界(おおげさ)に速報しました。これがまだWebサイト黎明期でもあったため、結果的に本家タミヤHPよりも早く詳しく報じてしまい、当時の田宮俊作社長から「うちのHPはなにをやっておる」と社内でお叱りがあったとか無かったとか逸話が残りました。

実は前年の1999年に同じ場所で行われた「'99プラモデル・ラジコンフェア」で、タミヤは1/35MMではドイツ18tハーフトラック「ファモ」を発売し、なおかつ1/25パンサーのDMD制御ラジオコントロールモデルも発表しました。「ファモ」は大評判となったのですが、DMD装置を一早く小型化したパンサーは、車体自体が1972年に発売されたパンサーを再利用したものだったため大きな話題になりませんでした。しかも同じ会場の隣ではマルイが1/24トイラジBB弾発射装置付き90式戦車を大体的に発表していました。走行性能はオンオフですのでオモチャ然とした動きなのですが、塗装済み完成品で安価、何よりハッタリ抜群のデモンストレーションが実に見事で会場の注目を一心に集めていました。当研究室助手も「田宮模型歴史研究室」webサイトの研究室ニュースなのに、異例にもこれを取り上げたことで、いかに当時の話題であったかがわかってもらえるかと思います。おそらくタミヤサイドも少なからず刺激を受けたことは間違いないと思われますが、臥薪嘗胆、既に隠密裏に開発中の1/16フルオペタイガーTを1年後に倍返しと言わんばかりに完膚無きまでに圧倒的なクオリティで発表したのです。

「田宮模型歴史研究室」と名乗っているからには、購入はmustと思ってはいましたが、いかんせんオトナ価格です。逡巡している間に当方には2002年3月開催の「I LOVE TAMIYA展」というビッグプロジェクトが舞い込み、とても購入する余裕などありませんでした。しかしなんとか「I LOVE TAMIYA展」も開催にこぎつけ、あろうことかその会場で友人にフルオペRCタイガーTのデモンストレーションをお願いして目の前で見てしまったものですから一気に機運が高まります。そしてこの年の5月の静岡ホビーショーのタミヤブースで「RCタンクオーナーズミーティング」が開催されると決まったものですから、完全に背中のスイッチが押されました(笑)。

えいやっ!と購入し、誰も気にしていないのに誇らしげに電車の中で取っ手付きの大きなパッケージを見せびらかして帰宅し、製作を開始しました。この時期はデジカメをそれなりに駆使して製作途中画像なども撮影していたのですが、手元に全く残っていません。これは画像を紛失したのではなく、“そもそも撮影していない”のです。それだけ狂喜乱舞して作っていたことがわかりますね。覚えていることは複合転輪の片側のランナー塗装だけで缶スプレー1缶を使ってしまったことと、駆動系が完成してテストをした瞬間に大音響でマイバッハエンジン音が家中に響き渡ったことです(誰しも必ず当時やったらしいです)。しかもそういう時に限って家族が寝静まった深夜でボリュームもMAXになっていたりました(笑)。

とりあえず動くようになったのは5月11日(土)。翌日に「可動戦車模型愛好会東京オフ会」があったためでした。当時小学生だった愚息を連れてオフ会に参加し、興奮のバトル初体験です。色々とアドバイスを受けてから帰宅し最終塗装に入りました。

1週間後にやってきた静岡ホビーショー当日、当研究室助手は期待感に胸膨らませて初めて「1/16フルオペRCタンクオーナーズミーティング」に参加しました。塗装やバトルダメージディテールアップも済ませ、砲塔番号は誕生日の数字にするというお約束。「オーナーズミーティング」という響きに酔って(←オバカ)、人生初のタミヤ公式ゼッケンを付け、公衆の前でバトル初体験。こちらは完全な初心者ですが、相手の操作ミスもあり1勝だけ出来ました!

オーナーになると(笑)交友関係が広がります。神奈川県の市が尾で開催されたミニオフ会にも喜んで参加。この頃は平気で屋外で砂嵐を巻き上げながら操縦していましたが、流石タミヤ、全くのメンテナンスフリーで楽しめました。そんな中、この年の7月に初めて渡英し、ベルトリングラリーに参加したことにより、この1/16フルオペタイガーTは数奇な運命をたどることになるのです(笑)。それはまた別の機会に。

ちなみにこの塗装が見納めになるので近くの公園で撮影をしまくった画像を元に、当時有志がネットで盛り上がった「パッチリコンテスト」に参加してみました。簡単にいえばプラモデルの画像と実景を画像合成するものなのですが、こんな感じになりました。いかがでしょうか?

(2014/02/16)


2000年9月21日「第40回全日本ホビー模型ショー」。タミヤブースが光り輝いていました!
製作途中画像が1枚もありません(汗)。夢中で作っていたんですね。
この状態になったのが2002年5月11日(土)。転輪のみフィールドグレーで塗装されています。
バックにあるのは当時香港から世界最速で逆輸入したM26パーシング。国内発売前でした。
「可動戦車模型愛好会東京オフ会2002」5月12日(日)開催
我がタイガーTを操縦しているのは小学生の愚息です。
右手前にあるのは禁断の超速逆輸入のM26パーシング。Mr.KATOさんが購入し製作しました。
静岡ホビーショー2002の「1/16RCオーナーズミーティング」に初参加しました!
砲塔番号は私の誕生日。極小チェーンでディテールアップしてます。
タミヤオフィシャルの場で操縦する緊張感と充実感!
奇跡的に1回戦は勝ちました!まさにその瞬間の画像です!
お客さんに見せることが重要!とこんなコスチュームの人も・・・
ん?M26ブラックパーシングはこの時点で世の中に1台しかないはず
さらにブラックタイガーの方は、後に軽装甲機動車の代行運転をしてくださることに
有志で市が尾オフ会もやりました。当時は平気で屋外でやってましたね。
半年後にお色直しをすることになり、近所の公園で急遽見納め撮影。
金属製スコップ、木製の柄と素材感の違いを塗装で表現。
排気ルーバーのメッシュも標準装備。リアルです。
低い目線で撮影すると迫力があります。
画像処理してこんなこともやってました。パッチリコンテスト参加作品