T92デストロイヤー

左:タミヤ1/50、右:ITC1/24.珍しいアングルからの2ショット。


例によって遅ればせながらですが、2005年静岡ホビーショーの合同展に出品した拙作の紹介をしましょう。

今回の題材はアメリカITC社の1/24スケール「AIRBORNE TANK」です。おそらくこのサイトをご覧になる方なら「T92デストロイヤー」という名前の方が馴染みが深いかもしれませんね。初登場はなんと1963年、タミヤでいえばM40ビッグショットを出した年に当たります。

ITC社といえば可動キットが目玉(大型潜水艦や大型空母なんてのもありました)なのですが、このキットもご多分に漏れずモーターライズ版が発売されています。またタイトルになっている「空挺戦車」としては、なんとパラシュートがバキュームフォーム状のもので再現されたタイプも発売されています。当研究室助手が入手したのはディスプレイタイプなのですが、これを6ch(!?)ワイヤードリモコンにしてしまおう!というのが今回のプロジェクトです。

このキットにまつわる逸話があります。今から40年以上前に、1/21タミヤM40ビッグショットのボックスアートを描いた平野光一画伯が、このキットを入手し(当時、舶来キットを入手するのは非常に困難で高価)、自宅で完成させ部屋に飾っておいたそうです。そこへ原画を受け取りに来た若き日の田宮俊作氏が「これは素晴らしい!」といたく気に入られたとか・・・。当時既にタミヤからはワールドタンクシリーズとして100円のモーターライズT92デストロイヤーが発売になっていましたが、このITC社のキットが刺激になったか、急遽資料が集められ、1967年にタミヤから完全新金型スケールモデルとして1/50ポケットミュージアムシリーズのNo.1、「アメリカ陸軍空輸戦車デストロイヤー」が発売されました。

実車自体は試作戦車で、アメリカ陸軍の制式採用をかけてM41と最後まで争ったのですが、結果はM41が採用されました。しかし近未来的なフォルムは当時の日本の子供たちにも大ウケだったようで、当時の日本の模型メーカー各社がこぞってこの試作戦車を模型化しました。

その思いを引きずったオジサン達のエネルギーは止めようが無く、2003年2月23日(日)に神奈川県某所にて「豆まきオフ会(別名:デストロイヤー祭り)」が開かれたのです。当研究室助手は無謀にも手持ちのITCのディスプレイキットをわずか1週間で5chリモコンに改造しようと宣言し、丸1日かけてギアボックスなどの機構の選定を行っていたのですが、念のためとパーツチェックをしてみると、2種類のパーツ(自作不能かつフォルムを決める決定的なパーツ)が欠品であることが判明してあえなく断念し、当日はその欠品キットを組まずにそのまま持ち寄ったのでした。

あれから2年と数ヶ月・・・。その後、某海外ネットオークションで新たにITC社のT92の完成品(欠品なし)を入手していた当研究室助手は、一人果敢に幻の計画を再開したのでありました。

(2005/06/29)


日付 内容 ホビーショーまで 更新日時 更新
2005/05/01 素組み完成品の確認 あと13日 2005/06/29
2005/05/04 可動戦車模型愛好会東京オフ会 あと10日 2005/06/29
2005/05/07 素組み完成品の確認(2) あと7日 2005/06/30
2005/05/08 可動パーツの製作(1) あと6日 2005/07/01
2005/05/09 可動パーツの製作(2) あと5日 2005/07/04
2005/05/11 新規動力の模索 あと3日 2005/08/25
2005/05/12 新規動力の組み込み あと2日 2005/08/31
2005/05/13 ついに完成 あと1日 2005/09/06

日付 内容 動く戦車オフ会まで 更新日時 更新
2005/11/29 「動く戦車オフ会」へ向けて あと5日 2005/12/11
2005/12/04 「動く戦車オフ会2005」参加! 当日 2006/01/23


2005年の模様はこちら


2003年2月23日(日)ワンダーフェスティバル当日の夜!
伝説の「豆まきオフ会」での“デストロイヤー祭り”。
奥にはITC社のモーターライズ版、パラシュート付き版の
ボックスアートカラー画像が見える。
東京シャープ、童友社、オオタキ・・・。
なお、この4枚の画像は「テルスター中尉」さん撮影です!
手前の超絶作品はTAC宮本監督の作。
タミヤ1/50の素組みとディテールアップ版。