10月23日(月)

車体下部の工作(2)
〜ギアボックスの製作〜

<あと13日>

1.8mmΦの金属シャフトが欲しかった・・・。


続いては起動輪の製作です。ギアボックスから最終的に出るシャフトとスプロケットホイルとの固定は色々な方法があります。今回は2.0mmの六角シャフトを使用するので、B1bisの時同様、プラ製六角ナットを使うことにしました。これはD-FORCE戦車用ギアボックスセットに付属している物で、タミヤの古いリモコン戦車ギアボックスの最主軸にある六角金属ナットと同じサイズです。

これを埋め込むには同じサイズの六角形の穴を開けてやれば良いわけで、地元商店街の金物屋さんで特別に譲っていただいたM3.5のボルトナットをキャンドルで焼いてジュッと押し付けます。目分量でセンターを出しながらの一発勝負です。チョットでもずれるとスプロケットホイルがグニャグニャ回るというみっともない事になってしまうので緊張しますね。

スプロケットホイルに挿すファイナルシャフトはミニ四駆の2.0mm六角シャフトをそのまま使いました。これが測ったようにピッタリの長さです。このシャフトにはめるギアは、D-FORCE戦車用ギアボックスについているファイナルギアを分解して取り出しました。

当初は2個のモーターを使ってのリモコンを考えたのですが、この車両でリモコンバトルに出るわけも無く(汗)、実車もバリバリ自由に動き回っていたとは考えにくい車両なので、ワンモーターのシングル走行にすることにしました。スケールスピードを考えるとD-FORCE戦車用ギアボックスそのままでは速すぎます。そこでダブルギアを6枚かみ合わせて大幅に減速するギアボックスを自作することにしました。

こういったギアを1枚1枚単独で売ってくれるお店は現在、日本で何軒くらい残っているんでしょうね? かつてアーマーモデリングの編集部にお邪魔した時に近所で偶然発見したのが科学教材社さんです。かつての「模型とラジオ」の総本山でもあるのですが、今も色々な工作パーツを扱っており店頭でギアが1個1個購入できます。

いよいよ工作ですが、ギアの配置はいたってシンプル、6枚のギアを組み合わせた超低速ギアボックスを組みました。ギアの内径は2.0mmで、空転させなければならないのでピッタリの2.0mmシャフトではいけません。そこで手持ちのストックシャフトの中から1.5mmの真鍮シャフトを使いました。仮組みをしてみるとシャラシャラと回り完璧に思えたのですが、実際にモーターを設置し負荷をかけるとシャフト径の差である0.5mmが響き、ギアが微妙に斜めになる上に異音がしてスムーズに回りません。

解決方法としては1.9〜1.7mmくらいのシャフトを用意すればいのですが、簡単に手に入るものではありません。頼みの地元商店街の金物店でも、「巻いたワイヤーならあるけれど直線は無いね〜」との返事に途方にくれます。そうだ!こんな時は!と地元100円ショップへ出かけました。固定観念を捨て、ストレートの金属線が使ってあるものを店頭で片っ端からデジタルノギスをあてて測っていきます。そして見つけたのが・・・

流し台用のステンレス小物入れでした。店頭で見た瞬間にピピッときて(自分の頭の中にサイズがはっきり残ってました)測るとなんと1.8mm!もちろん105円で購入し、帰宅してからパチンと切断。遂にギアボックスが出来ました!テストで回してみると回転数といい、完璧です!このステンレス小物入れからは、まだまだ1.8mmシャフトが何本も取れますので、しばらく安心です(^_^)。

後日、ある方から「そんな時は2.1〜2.2mmのドリル刃を用意して、ギアの穴を大きくしてから(入手し易い)2.0mmシャフトを使うんですよ」と言われ、目からウロコが落ちた気分でした。でもきっとその方も私のやり方に目からウロコだったのだと思います(^_^;)。

ところで、本日はアーマーモデリング最新号(Vol.88)の発売日ですが、今号に当研究室助手が作ったこのスカッドAの完成品が載ってます。どういった紹介のされ方かというと・・・驚くべきカタチで載ってます。恐縮致しますm(_ _)m。

(2007/01/13)


M3.5のボルトナットをペンチではさんでキャンドルに プラ製の六角ナットは内側に2.0mmの六角穴が開いてます
偶然の産物?驚くほど上手く行きました(^_^)
位置決めを確認してから接着剤を流します
ミニ四駆の2.0mm六角シャフトの長さがピッタリ。
中に見える白いギアはD-FORCEギアボックスより
シャフト径とギアの穴があわず、モーターを回すと微妙なズレ 穴は2.0mm、シャフトは1.5mm。0.5mmの差が大きすぎます
1.9〜1.7mmΦを探して100円ショップで見つけたのがコレ!
キッチン用の小物入れ。もちろん105円です。
な、なんと1.8mmΦとピッタリ!
しかも強度があるステンレス製!
ガタつきも無く完璧です(^_^) 一見シンプルに見えるギアボックスだからこそドラマが