7日目  6月16日(月)

救命艇の原型の製作


生まれて初めて「原型」を作りました。


全体の細かい計画を立てないまま突っ走っているので、作りながらも「あれはどうしよう」と不安にかられるパーツがいくつかあります。その典型的なものは「救命艇」でした。

「何かの客船のキットの救命ボートを使えばそれらしく見えるだろう」といった程度の認識でスタートしていたのですが、次第にとてもそれでは無理な事が判明しました。こういったパーツに限って詳細な資料が集まったりするもので困ったものです。実物は鮮やかなオレンジ色をしていますので完成品になった時に目立つのは間違いありません。1個1個作るにしても微妙な曲線のバラツキがとても醜くなってしまうことははっきりしています。原型を作ってキャストで抜けば良いということは理論でわかっていても全く経験が無く、さらに時間もないので絶望的です。

「どうしようか・・・」と真剣に悩んでいた前日の夕刻に奇跡は起きました。ある方にばったり渋谷駅のホームでお会いし、その結果、生まれて初めて「原型」を作ることになったのです(詳細は後述)。

早速その日の夜にエポキシパテで大体の形を作って置いておきました。無垢の素材で作るのもナニなので、中に芯として「コンテナ船ローエン」についていた救命ボートを入れました。そして1日置いて十分固まったところで正確に削りだしていきます。小さく見えますがなんと定員50名の救命艇です。操縦席や船体下部の推進装置ノズルも組み立てました。唯一気にしていた外周のラインについては、当初は糸ハンダで作ってみたのですが、どうしても線が太くなってしまったので極小スプリングに変更しました。スプリングだけに曲面への密着度は抜群で、とても良い素材である事が確認されました。

感慨に浸る間もなく「ある方」のご自宅へ(深夜にもかかわらず)車で向かい、この原型を預けてきました。


エポキシパテの塊を完全硬化を待って削ります
うっすらと芯に白く見えるのがローエンのボート
推進装置のノズルも作ったのですが、これは外しました
そして、表面を2000番のフィニッシュペーパーで磨きました