05月09日(日)
<あと6日>

ドアの製作(4)/東京オフ会

「可動戦車模型愛好会」東京オフ会参加作品一覧


ついに日曜日の朝を迎えました。実はこの日は当研究室助手も籍を置く「可動戦車模型愛好会」東京オフ会の日なのです。

本業の関係で、毎週土曜日は朝2:30に起きるというサイクルなため、どうしても日曜日の朝も早起きになってしまいます(何より土曜の夜に疲れて早く寝てしまうことが多い)。この日曜日も「今日はみんなに見せるんだから、ある程度メドをつけないと」と朝3:00過ぎに起きてゴソゴソやっていたようで、デジカメの撮影日時が静かにそのことを記録していました。

前日に満足の行く形に終わったドアのリム、今日は仕上げに入ります。まず、イラク派遣車両のみにつけられた増加装甲付きのウィンドウを慎重に取り付けます。そしてwave社の丸リベットをコツコツと根気良く接着していくのです。このパーツ、画像のランナー2枚入って\300なのですが、六角ボルト3セット、丸リベット3セットの合計6セットも使いました。100円ショップで購入した瞬間接着剤を先のポリプロピレン製のパレットにある程度絞り出し、デザインナイフの先に、この丸リベットをちょんと刺しては瞬間接着剤をつけて所定の位置に貼り続けます。今から思えば大変そうですが、慣れてくるとサラサラやっていた記憶があります。

また、ドアの上部に付く用途不明の小さな突起や、鍵穴(現場でどんなカギを使うんでしょうね)、ダンパーの取り付け部といったパーツも、同じくwave社の「O-ボルトセット(多種多様なヘッドのセット)」に入っているパーツに、大きさ・形ともに「そのものズバリ」といった物を見つけることが出来、さらに加工して取り付けます。

生まれて初めてレジン複製した10個のヒンジも最終仕上げです。型抜きの段階で念のために再現をあきらめていた部分を延ばしランナーで追加します。さらに直角方向に極小丸リベットを個々に取り付けることで蝶番の立体感を増しました。そしていよいよ車体に取り付けます。この車両の側面は地面に対して垂直な面は一つもないのですが、ヒンジは地面に対して垂直につけなければなりません。それぞれの固有な角度に固定することになるのですが、これまた逆転の発想で取り付けることが出来ました。本来ならそれぞれ固有の高さと角度を測り、スペーサーにあたるものを1個ずつプラバンの積層などで作るのですが、なんとエポキシパテをまるめて挟み込んでどんどん固定していきました。この方法ですと何よりも簡単に出来、完全に硬化していない段階で、慎重に高さ角度とも位置合わせが出来ます。もちろん完全硬化した後はデザインナイフで、エポキシパテのはみ出し部分を綺麗に削り落とします。この方法もいざ取り付ける段階になってあみ出すという綱渡り戦法ですが、結果オーライとなりました。

オフ会は13:00スタートで、参加者の中でおそらく会場に一番近い所に住んでいるはずなのですが、こんな状況なのでちょっと遅刻しそう・・・。なんと13:00を回ってから、レジン複製の4個のホイルをタイヤに瞬間接着剤で固定して力技で体裁を取り繕い、作品を手に抱えて会場に駆け込みました。

「可動戦車模型愛好会」東京オフ会・・・いつもながら想像以上に濃い作品が揃います。車体長をしっかり延長した1/16RCヤークトタイガー(ハンティングタイガー)、デフとハンドルが連携して走る1/9RCケッテンクラート、高速で車高制御まで出来てしまうフルオペ1/35(!)RCレオパルド2A5、サスを効かせてグルグル走り回る1/35(!)自衛隊オートバイ、線路も無いのに自在に走り回り、砲身を上げ下げして大音響と共に後座する砲身を持つ1/35RCレオポルド列車砲・・・唖然とする仲間たちです。

そんな中、いよいよ当研究室助手がプレゼンする番がやってきました。「可動戦車愛好会」ですから、どんな動きをするかも楽しみの一つなのですが、今回のフルスクラッチ軽装甲機動車は“普通に”走り回るだけ。ヘッドライト、ウインカー、ブレーキランプ、バックランプも完全作動させる計画はあるのですが、そこまで全く来ていません。しかも人前でRCカーの操縦などやったことも無いわけで、ウィィィィ・・・となんとか走ってくれただけで冷や汗モノでした。しかしまがりなりにも途中経過をネット公開していたこともあって質問攻めにあい、嬉しい悲鳴となりました。

この「可動戦車模型愛好会」東京オフ会は、毎年静岡ホビーショー直前のゴールデンウィークに東京で開かれます。これは静岡に直接行けない会員の為に、作品を持ち寄りこの場で動画で撮影し、静岡で画面上で作品参加してもらおうという趣旨があるからです。静岡での合同展がある土曜日まであと6日、当研究室助手は木曜日の業者招待日から参加を考えているので、実はあと4日しかないのでした・・・。

そんな調子ですから、東京オフ会に参加しながらも気が気ではありません。メンバーに色々相談すると「そんな方法があったんですか!」と感心することばかりです。そんな中、当研究室助手が漏らした一言が「今、一番困っているのがスコップです。もちろんフルスクラッチするしかないのですが、あの微妙な曲面をどうやって出すかが一番の悩みです」だったのですが、「いまいま」さんが、「それでしたら、これあげますよ」とポンと下さったのがまさに大スケール“スコップ”でした。

「!!」・・・一瞬目を疑いますが、夢にまで見た(ちょっと大袈裟)大型スコップが事もなげに目の前にあります。実は「いまいま」さんは1/9RCケッテンクラートを作った方ですが、なんでも2台購入したそうで、もともと使う予定も無いので付属していたスコップを一つ下さるというのです。作っているのは2/23スケールで、目の前にあるのは1/9スケールですのでオーバースケールであるのは否めませんが、欲しいのはお皿部分の微妙なカーブの所です。ただひたすら感謝でした。

そんなわけですので、恒例のお楽しみ2次会も後ろ髪を引かれながら途中で退席させていただきました。当研究室助手にとってこういった模型の趣味の会の飲み会で、途中で睡魔に襲われたことはあっても(?)、あるは3次会まで行けなかった事はあっても、2次会の途中で退席するのは史上初のことでした。

とにかく時間がありません。酔いを振り払って作業開始。朝霞で取材した試作車両にはスコップはついていなかったのですが、偶然撮影できたソフトスキンにスコップがついていましたので、それを元に図面を引き作ります。ケッテンクラートのスコップは角型スコップですが、軽装甲機動車についているのは丸型スコップですので一回り小さく削り込みます。スコップの柄もケッテンクラート付属は4mm径でしたが、3mm棒に差し替えて一からスクラッチしました。この時点ではまだつけていませんが、後にスコップのリベットも再現しました。ちなみに今回の製作日記を書くに当たり、「いまいま」さんから頂いたケッテンクラート付属のスコップの画像を探したのですが、撮ってありませんでした。いかにこの時に余裕が無かったかがわかります。

あらためて、「いまいま」さん、ありがとうございました!

(2004/09/16)


防弾増加装甲されたサイドドアのウィンドウ 大活躍するwave社の極小丸リベット。直径約1mm。
慎重に位置決めして、リベットを一つ一つ接着。
例のギザギザリムの上にも一つずつ存在する。
複製したドアヒンジに、パーツ(銀色部分)を追加接着。
複雑な角度の車体との固定はエポキシパテで。
ひのきさんが当日持ち込んだ折りたたみ式スタジオで撮影。 製作途中ですが、とりあえずメンバーに初公開!
撮影セットからはみ出しそう。ようやくここまで・・・。 グレーの部分のみ流用。「いまいま」さんに多謝!
3月の朝霞取材で撮ってあったスコップの画像。 例によってせんなき画像。静岡ホビーショー会場にて。