発売期間 | 発売時価格 |
’68/07〜’71 | ¥500 |
fig.1 | fig.2 | fig.3 | fig.4 | fig.5 |
1/35戦車シリーズNo.17 SU−100のクイック<組立>キット 組立済みの車体下部、ゴムキャタピラ、グリスなどがブリスターパックになっている[fig.2]が、もともと部品数の少ない好キットだっただけに、ものの10分程で完成させることができる。 年少者向けということで組立説明図には、すべてふりがなが入り、平易な文章になっている[fig.3]。又、意外に手先が器用じゃない欧米人の為に輸出用としても重宝されたらしい[fig.4]。余談になるがモノグラムの1/32四号戦車等のキットは、ポリキャタピラを焼き止め出来ない人の為に、工場出荷段階でひとつひとつ焼き止めされていた。 車体下部組立済みキットというと、子供心に「田宮模型の技術者が白衣を着たまま(?)ひとつひとつカッチリと組んで下さった」といった様なイメージを持っていたのですが、実際はパートのおばちゃん(ゴメンナサイ)がニッパー片手にパチンパチン作っていたのでは... ボックスアートは小松崎茂画伯。冬季迷彩塗装の車体に、相手は撃破されたパンサーの砲身が折れているという、子供には衝撃的な構図。真赤なソビエト国旗の上のコートを着たロシア兵のワンポイントイラストも勇ましかった。平成2年4月に発売された「小松崎茂の世界〜ロマンとの遭遇」(国書刊行会)をご覧になった方は目次の2ページの下にある小さなイラストも見逃さなかったはずである。 成形色は、オリジナルが濃いダークグリーン系[fig.5右]に対し、このクイックキットはオリーブドラブ系の明るい色で明らかに異なっており、当時、戦車スピード競技会に出た子供は「あっ、おまえのは半分作ってあるクイックキットだな、だっせー(一部現代語訳)」となったが、現在では完成品だけでも「おお!この成形色は紛れも無い幻のクイックキット!!」となる....どこまで本当の話だろう? オリジナルキットより2年遅れ、1968年7月1日発売だが、’72年版のカタログには既に載っておらず、わずか3年間程しか発売されなかった。その上’70、’71年版カタログでもキットに関する説明やボックスアートは一切無く、巻末の値段表に一行「クイックジューコフ¥500」とだけ書いてあるだけで謎のキットだった。 キットNo.はQK101(クイックキットの略)で、QK102としてT34(キット名ホワイトベアー)がある。 (1998/08/10) |