アフリカ・コープス
発売期間 発売時価格
1974/5 ¥250

ミリタリーミニチュアシリーズは1973〜74年に第一次ピークを迎えます。その核となったのは、なんといってもドイツ88mm砲だと思われますが、これに合わせてかアフリカ戦線のジオラマがブームになりました。マチルダ、土のうセット、砂漠のネズミとアイテムが充実してきて、ドイツ兵がNo.8のアフリカ軍団セットだけではなあと思っていたところに登場したのが、このキットNo.37「アフリカ・コープス」です。

リアルタイムですぐ購入し、イギリス第8軍砂漠のネズミと白兵戦?のジオラマを作りながら「長ズボンの人は暑いだろうなあ」なんて余計な事を考えていた小学生に、定期購読し始めたタミヤニュースの声の欄に衝撃的な投稿が飛び込んできました。それはVol.47(1974/9月号)の大久保氏の投書です。

「そ、そんな...タミヤが間違えるなんて...」ローマ字しか読めなかった当時の小学生にとって、CORPSはどう見たってコープスです。発音しない文字があることの方がおかしいと思ったものの、タミヤもあっさりと謝ってます。いたたまれない気持ちになるとともに、当時のファンのアカデミックなところに畏敬の念さえおぼえたものでした。

そんな訳でこの「アフリカ・コープス」はわずか半年程しか発売されず、すぐに「アフリカ・コーア」に替わってしまいました。「これはこの箱は大切にしなきゃ(困ったものだ)」と作り終わったアフリカ・コープスの空箱を大切に保管していたのに、なにを思ったのかこの箱を切り取って壁に飾ったりしてしまい結局紛失してしまいました。そんな訳で25年近く探していたのですが、半年程前に千葉のさるお店で発見しました(初めて入った店で、なんの期待もしていなかったのに、ドアを開けた瞬間にビッと来るものがあり、これを発見して凍り付きました。アフリカ・コーアと同じ扱いだったようです)。

ロンメル、スコーピオン、スパイダーなど確信犯的に名前を変えた物を除けば、これがタミヤの最初で最後のキット名のミスだったのではないでしょうか?