第5回モデラーズフリマ
(2007/03/03〜04)

遂に“聖地”ツインメッセ静岡に登場!シングルレースコース。


模型(プラモデル)のフリーマーケットとしてすっかり定着したのが、静岡クリエイト主催の「モデラーズフリマ」。今回で早くも5回目となりました。

2005年2月に開かれた第1回からまさにサプライズで、「はりすのかぜさんぜんえん」「たみやわーるどたんくさんぜんえん」といった個人ブースが出現したかと思えば、タミヤブースでは「歴史館の倉庫にでも余剰があったのか、“6輪装甲車ワイルドキャット”完成品1台のみ販売」といった信じられない事が起きていました。また企画スペースでは「土居雅博塗装教室」、「山田卓司塗装教室」、「レオナルドY社長トークショー」といったイベントも盛りだくさんで、初回にもかかわらず1万人以上のお客さんが来場し、数々の伝説を残してスタートしたのです。ちなみに当研究室助手は土居さんの塗装教室で当日キャンセルが出たので急遽参加させてもらい、生まれて初めてアクリルガッシュやパステルの使い方を学び、その後のモデリングライフにおいても忘れられない経験となったのですが、その時間帯に先の「はりす」「わーるど」「わいるど」といったモノが販売され、全く知らなかったという甘酸っぱい思い出もあります(まだネに持ってるの?)。

初回はツインメッセ静岡で開かれましたが、第2回は東京ビッグサイトで開かれ、これまたあるブースの前ではマニア間では煙が上がるような争奪戦が繰り広げられました(当研究室助手は、遠巻きにハラハラ見つめておりました)。第3回はツインメッセ静岡に戻り、「金子辰也ジオラマ大作品展」という画期的なイベントが開かれ史上初めて金子作品が70点も展示され、地元静岡のテレビ局も生中継し、大盛況となりました。第4回は東京の浜松町にて開催され“ドリームキットオークション”という新企画にもチャレンジされました。これとは別に毎年5月に行われる静岡ホビーショーでは同じツインメッセ静岡の西館で、フリーマーケットに特化した「モデラーズminiフリマ」が同時開催されています。

モデラーズフリマ・・・マニアにとっては絶対外せず、初心者にとっては気軽に安価で買えるフリーマーケット、そして地元の子供たちには安心して遊べるワンダーランドとして成長し、“モデラーの祭典”という最終目標に向かって順調に進んでいます。

そんな中開かれた今回の第5回モデラーズフリマは、当研究室助手にとっては今までと違ったカタチで参加することになりました。それは“動く戦車模型の楽しさを皆さんにアピール”という役割を担うことになったのです。


本来のフリマ会場。お宝を手に笑顔の標準的なお客さん 親子(??)でコスプレのこんなお店も!
プラモデルがうず高く積まれたお店も多数 地元で取れた新鮮なワサビも売ってます!


静岡クリエイトは前タミヤ常務の関谷登氏が「ものづくり」「手作り」の素晴らしさを伝えるイベント企画・開催のために2004年に興した会社です。その関谷社長から人を介して「今度のモデラーズフリマで動く戦車模型好きの皆さんに、デモンストレーションをやってもらえないだろうか?」と相談を受けたのです。当研究室助手は、毎年“動く戦車オフ会”の世話役をやっていますので、早速何人かの世話役に電話してみると「やりましょう」「やりましょう」の即決でした(^_^;)。

今回のモデラーズフリマはなんと静岡市の協賛となり、静岡市割り当てのスペースを使って静岡市民の皆さんとも触れ合って欲しいというのが趣旨で、同様の企画で東海AFVの会の皆さんと一緒にスペースを提供されていました。「よ〜し、地元静岡の子供たちに動く戦車模型の素晴らしさを伝えるぞ〜!」とメンバーが張り切ったのは言うまでもありません。

ネットで連絡を取り合っているメンバーですが、3種類の団体としてスペースを分割することにしました。当研究室助手のように3団体すべてに顔を出すメンバーも複数います(^_^;)。

団体名 ジャンル
動く模型愛好会(UMA:ユーマ) シングル戦車レース、リモコン戦車バトル
可動戦車模型愛好会(オヤヂ組) 1/35スケール自作改造RC
シュパーテン   1/16スケールRCタンク




「動く模型愛好会(UMA:ユーマ)」

毎年行っている動く戦車オフ会のメインコンテンツのシングル戦車レースとリモコンバトルを行いました。メンバーが私財を投げ打って作ったシングル戦車レースのコースが、聖地静岡へ行くのです。有志によって張り切ってバージョンアップ作業が行われ、当日静岡へ行けないメンバーからは続々とレンタル用に戦車模型の完成品が届きました。土嚢やバリケード、電柱を作って送ってくれたメンバーもいます。私費で、揃いのUMAトレーナーを人数分作ってくれたメンバーも現れ、当日の会場でも係員として良いアピールになりました。

いよいよ開場です。「最初の1時間くらいはみんなフリマに行くから誰も来ないよ」なんて言い合っていたのですが、ポツポツと子供達が現れます。メンバーがデモンストレーションでシングル戦車コースを走らせていると、興味深そうに覗き込んでくれます。「ボク、やってみる?こうしてこうしてね・・・それで一番むこうまで行けたら賞品がもらえるんだよ」

たちまち子供たちが集まり始めました。レンタル車両が置いてあるテーブルから自由に戦車を掴んでスタートラインに持ってきます。生まれて初めて戦車模型に触る子も多く、キャタピラを興味深く見ています。「ここがスイッチだからね。それでここを持って方向を決めて、こうやって手を離すんだよ」・・・スタートラインで丁寧に教えてくれるオジサンが、まさかかつてのAFV少年永遠の憧れの的、カンプグルッペジーベン創設メンバーであり代表のSさんとは知る由もないことでしょう(^_^;)。

バリケードや土嚢も用意したのですが、なんといっても1/35スケール換算で全長252mにも及ぶコースなので数が足りません。そこで当研究室助手は同じ会場内のタミヤブースへ行って、1/48レンガ・土のう・バリケードセットを購入してきて、シングル戦車レースコースの横でアグラをかいて作り始めました。「誰かニッパー持ってますか?」「あるよ」「誰か瞬間接着剤持ってますか?」「ありま〜す!」子供たちも不思議そうに見守ってくれます・・・組みあがったら、それを持ってまたまたタミヤブースへ戻り、エアブラシの実演コーナーで聞きました「レッドブラウン系の色はありますか?」。

実演のタミヤ社員さんも心得たもので「それならウエザリングマスターを使えばもっといい感じになりますよ」「そうですよね!」。当研究室助手もノリノリになって「いいなあ〜、ちょっとやるだけでこんなにレンガがリアルになりますよ〜ホラ」なんて調子よく大声でやっていると、女性のお客さんが「これってアイシャドーと同じじゃないですか!ええっ!」と、とても驚いてくださいました。「やってみませんか?ホラ、こうしてこうして・・・」。結局何人かの新規お客さんを開拓(?)しながら、その方々に結果的に塗ってもらうというラクまでしてコースに持って帰りました。さらに1/35動物セット塗装済み完成品も2セット購入、これをコース脇に並べると「ブタを倒した!」「ウマだ!」と子供たちにバカ受けでした。

結局2日間で、子供たちの列が途切れることが遂にありませんでした。みんな目をキラキラさせて遊んでくれます。当初は「子供たちに教えたい」なんてエラソーに思っていた私達ですが、逆に教えられた事が多数でした。「何かあったら賞品にでも使ってください」とミツワ様から預かっていたプラモデルが数十個あったのですが、初日に無くなってしまいました。それを聞いて2日目はタミヤ様から「使ってください」と新製品の楽しいトレインシリーズを多数提供していただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。

リモコンバトルも簡単な操作で戦車が自由自在に動くことを知って、大人気に。但しメンバーが作って持ち込んだレンタル用のバトルマシンは、ハードな使用に耐えかねて悲鳴を上げる車両が続出。その都度修理をし続けたメンバーでしたが、これまた勉強になりました。


おそらく生まれて初めて持つ、動く戦車模型 子供たちは真剣です。我々スタッフも真剣です。
お父さんにダッコされて小さな女の子もそれっ! 手を離れたら最後、誰もさわれないこのスリル
1/35スケール換算で全長252m!完走できるか!? 当研究室助手の拙作もチャレンジ!
往年の名作もすべて現役で走ります。 多くのUMAメンバーが作ってくれたレンタル車両
なんと初日はミツワ様、2日目はタミヤ様から商品の提供! 楽しく遊ぶ子供たちの陰では博士の献身的な工作が
子供たちのエキサイティングな操作は想定外
サバイバルな熱気を帯びたリモコン戦車バトル
リモコン戦車バトル用レンタル車両
悪魔的(?)な車両が大人気


可動戦車模型愛好会(オヤヂ組)

毎年5月に開かれる静岡ホビーショーの合同展でもすっかりお馴染みになったネットサークルです。ひのき隊長の下、1/35スケール戦車のハイテクラジオコントロール改造に命をかける男たちが集まり、他の追随を許しません。噴水からは水も出る、正確に1/35にスケールダウンされたヨーロッパの街並みも見事で、誰もが足を止めて見入ってしまいます。

実は5月のホビーショーではラジオコントロールメーカーが多数ブースを出していることもあって、使える電波には厳しい制限があるのですが、今回ラジオコントロールは私たちだけなので自由に使えます。それこそトイラジの使用も可能で、5月には持ってこられない珍しい車両も多数登場し、メンバーも「堪能しました」と大満足でした。

ちなみに当研究室助手の拙作スカッドAは、ハイテクとは対極にある“一度スイッチを入れたらそのままシングル走行のみ”というローテクなのですが、巨大ジオラマの上を何度も何度も走行させていただきました。ギア比を極端に遅くしてあるため、スケールスピードに合って自然で重量感があり、内臓赤色点滅発光ダイオード効果もあって異彩を放っていました。


波の呪縛から解かれた可動戦車模型愛好会 隊長は丸2日間、一度も座りませんでした。ホントです。
遂にベールを脱いだ“ほんだハイテクB1 88mm砲も牽引されます
街中の噴水広場をゆっくり進むスカッドA あまりの大きさにハンスも呆然と見上げた。
CCDを組み込んだ小型RC戦車画像もナマで公開 遂に実現、田宮俊作社長に説明するセンセイ。


シュパーテン

最後に紹介するのは、タミヤのモンスターキット1/16RCタンクのサークルです。毎年静岡タミヤで行われる1/16RCタンクオーナーズミーティングで集まったメンバーが中心になって発足し、定期的にオフ会をやって腕を磨いています。これまた普段のオーナーズミーティングなどでは、RCカーと時間を区切っての使用なので、実際の操縦できる時間は本当に限られているのですが、今回は12種類の電波をすべてメンバーで独占でき大戦車戦まで可能です。

一人で複数台所有するメンバーも珍しくなく(みんなどうなってるの?1台10万円近くするんですよ)、子供たちにも喜んで貸し出してくれるメンバーばかりです。超有名な某モデラー(日本語が変?)さんは、タイガーTの発売当時にアーマーモデリングのレビューで作って以来、5年近く動かしていないのを知っていたので「虫干しを兼ねて持ってきてください」とお願いしてありました。中を開けてみるとスプロケットホイルのイモネジが緩んでいたので、キャタピラからすべて外しての大整備になってしまいました。言葉で書くと簡単ですが、1/16スケールという大型模型ですから大変です。当のオーナー氏は全くのお手上げです。でも、「コレが楽しいんですよね」と喜んでやってくれるメンバーがいるんです。タミヤからはまだ発売前の1/16パンサーGの見本用完成品も貸し出してもらえ、私たちも自由に操縦できました。

初日は子供たちにも付きっ切りで自由に遊んでもらい、2日目には希望者全員参加のタイムトライアルレースを行いました。メンバー参加上位8名、そして一般参加上位2名の合計10名が団体バトル戦に進むというルールです。公正を期すために、自分の愛車ではなく、タミヤ催事部からお借りしたタイガーT台を、それぞれ交代して使ってのタイムレースになりました。

ここでとんでもない番狂わせが多数発生!バトルの実力者と思われたメンバーが続々と橋から落ちるなど信じられないミスを連発してリタイアしたのです。聞けば愛車はタイガーTじゃない人ばかりで、逆ハンデになってしまったようでした。そんなこともあって4年ぶりに操縦した当研究室助手のハッピーBlueタイガーTがギリギリの8位で予選を通過してしまいました。

決勝は5台ずつのA、B両ブロックに分け、5台でのサバイバルバトルを行います。ちなみにタミヤの1/16RCタンクは赤外線バトルが出来、今回は軽戦車モードにしたので、3発まで被弾すると電源が切れてしまう設定です。ちなみに私が入ったBブロックには一般の部のタイムレース1位になった中学生君が入っています。5台は背中合わせに正五角形形状に並び、合図があったら戦闘開始でポジショニングを取り、10秒後に主砲発射が認められます。ワタシは動きがトロかったか、争いに巻き込まれずに生き残り、気づいたら最後の2台になって、その中学生君と一騎打ちになってました。周りから見たら「手加減したでしょう」と思われるかもしれませんが、はっきり言って手も足も出ずにその中学生君に敗れてしまいました。

決勝はAブロックを勝ち上がった優勝常連組のKita3さんと、Bブロックを勝ち上がった中学生君との1対1対決です。それじゃああまりにも差がつくだろうと、一般の部タイムレース2位だった小学生君(!)に助っ人として入ってもらい、1対2のバトルとなりました。

Kita3さんは見事でした。まず助っ人である小学生君を慎重かつ大胆に狙いながら遠距離から確実に砲撃し、自分は無傷のまま先に3発命中させ倒します。そして中学生君と1対1となったところで、あえて橋を渡って相手陣地に乗り込み近接戦に持ち込みます。そして相手に撃たせて自らも1発被弾しながら、最後は首の皮1枚で勝利を得るという見事なストーリーになりました。相手も満足、お客さんも最後までハラハラドキドキの連続でした。







最後は3団体のメンバー全員集合で、田宮俊作社長と一緒に記念撮影です。こうして夢のような2日間はあっという間に過ぎ去りました。今回の反省と次へ向けての建設的かつ実践的な提案が、今、メンバー間でメールで飛び交っています。

「次?」・・・果たしていつになるのでしょうね? (^_^;)

(2007/03/08)


このオーナーは5年ぶりの操縦でした。 このオーナー(右端)も5年ぶりに愛車を操縦。
5年ぶりに動かそうとすると様々なトラブルが
キャタピラを外し、スプロケットのイモネジを・・・
なんと!未発売の1/16パンサーが展示!
操縦もさせてもらえました!!
往年の名作コンピューターシャーマン
ちゃんと動きます
こんなキットはタミヤから出ていないですよね
フルスクラッチです。ホンモノの米軍戦車兵帽と
公式レースは、タイガーTを使ってのタイムレース 即席で実況する某スタッフ(^_^;)
この状態でスタートし、10秒後に戦闘開始です なんとブルータイガーは決勝Bブロックまで進みました!
今回の優勝者Kita3さん。タダの勝ち方ではありません。 優勝バトルマシンstrv122(スウェーデン・レオパルド2)
タイムトライアルに参加した静岡クリエイトのプラ子さん
「センシャがこっちにむかうときはワタシもせなかをむけて」
との背面珍操縦に、RCタンクバトラー全員目ウロコ(゜o゜)
会場が一つになって大変な盛り上がりを見せた
決勝ブロックバトル。全車両に番号カードを貼り、
今、何が起きているかをつぶさに実況しました


3団体すべてが集合!田宮俊作社長を囲んで・・・「また、やりましょう!!」