タミヤニュース100号記念トレーナー


配布時期
1980年



「タミヤニュースの世界」発売日記念です。ちなんだ物を紹介しましょう

1967年1月号の創刊以来、タミヤニュースは1980年10月号で通巻100号を数えました。実質月刊誌になったのが1979年。100号までは殆ど隔月誌扱いだったので13年もかかったのですね。そこで読者プレゼントとして記念トレーナーが作られました。

正直申し上げて、この告知を当研究室助手は原体験としてあまり覚えておりません。時期を逆算してみると、大学受験まっただ中の高校3年生の秋だったことが判明しました。人生で一番勉強していた時期に、とりあえずタミヤの最新情報だけはと見ていた程度ですので記憶が薄いのでしょう。

そんな中、今回の「タミヤニュースの世界」の編集過程であらためて新製品案内のページを調べていくと、Vol.100にこの記念トレーナープレゼント告知記事を確認したのです。「えっ!こんなのがあったの!?」というのが正直な感想です。しかしよくよく読んでみると、全国でたった100人にしか渡らない超レアな非売品です。さらに「ご応募はお1人様ハガキ1枚に限ります」と書いてあるではないですか!

こんな厳しいプレゼント品がかつてあったでしょうか?捜そうという気力も萎えるほどの衝撃です。しかし、「タミヤニュースの世界」という本を出版するに当たってこの100号記念トレーナーの写真があると無いではマニアの方々の満足度が違うだろうなあと思うと、当選者として只一人公開してある福島県の清野さんという方を104の電話番号案内で捜そうかと考えたほどです。念のため静岡のタミヤ本社にも在庫の確認をしたのですが「残ってないですねえ」との返事。そもそもタミヤニュースの文字告知原稿しかないのでどんなデザインかさえわかりません(それもそのはず、当選者が決まってもこのトレーナーが完成していなかったのですね)。正直、あまりにもレアすぎるのできっぱりとあきらめました。

月日は流れ「タミヤニュースの世界」用のタミヤグッズの撮影も終了し、すべてのカラーページのレイアウトも終えた4月中旬のある日、当研究室助手は某インターネットオークションのサイトをチラチラ見ているときに「え?」と固まってしまいました。そこには小さなサムネイル画像でタミヤマークの見たこともないトレーナーが出品されていたのです。

出品物の名前は「タミヤ スウェット サイズL 未使用品!!」。品物の状態についての説明はありますが、そもそもこれはタミヤの“何の”トレーナーかといった記述は一切ありません。はやる気持ちを抑えて画像を拡大すると、そこには“TAMIYA NEWS COMMEMORATION OF ITS 100th EDITION”の文字が読みとれるではないですか!!!うぁあああああああああ!!%#!§ &!!!...

落ち着け、落ち着け...と気を引き締めて、入札の作戦を考えます。しかし答えはすぐに出ました。どうしても欲しい!だからすぐに入札だ!!(全然落ち着いてないですね)。結果的に合計3人の争いになりましたが、意外にも一人はハンドルネームや過去の履歴から見て若い女性。もう一人もオークション初心者で過去の履歴はマフラーや靴を買っている人。そう、タミヤ製品を過去に落札している人はいませんでした。そしてとてもリーズナブルな金額で落札決定!(○倍以上の金額を入札していたのはヒミツ)。カラーページの締切は終わっていましたが白黒ページの画像の締切が3日後です。出品者にお願いしてトレーナーを直接ネスコに送ってもらい、写真撮影して滑り込ませました。ちなみに最大の疑問を落札後に出品者に問い合わせたのですが、出品者は古着屋さんで、どこから入手した物かわからないとのことでした(この説明が一番納得する選択肢だったかもしれません)。

(2001/05/25)
とか何とかいいながら、なんだかどこか引っかかるよなあ...と思いながら、調べ始めてみると...「あ!」...冷や汗タラ〜な情報を発見してしまいました。

なんとタミヤニュースVol.106(1981/03)に「タミヤニュース100号記念トレーナー、ご希望の方に特別価格¥2500でお分けします」の記述があるではないですか...ご丁寧に写真まで載せて...私は何を見ていたのだろう...。苦しい言い訳としてはこのVol.106が発行されたのは1986年の2月ですから、丁度受験のために上京し、まさに真っ只中で...いかにも苦しい...「タミヤニュースの世界」の編集で、どこを見ていたんだ...

確かに後に販売はされましたが当初は100着限定のプレゼント品であった事実は歴然と残り、販売に関しても何年間も売られていたとは考えにくく、レアなモノであることに変わりはありませんが、一人はしゃいでしまったことを反省しております。どなたかに指摘される前に自分で見つけられたことがせめてもの救いですが、自戒を込めて前の文章は削除せずに、しばらくはこのままにさせていただきます。(きっと「何言ってるんだよ、ここに売ってると書いてあったよ」と思っていた方が全国に何人もいらっしゃったんだろうなあ。恥ずかしい...)

(2001/05/27)


細かい文字を読むと、オークションサイトで初めて見つけた時の感動が蘇ります。


Vol.100より。「ご応募はお1人様ハガキ1枚のみ」 Vol.102より。真剣に清野氏を捜そうと思いました。