謎の1/50ボックスアート



大概のボックスアートを把握している当研究室助手ですが、この1/50日本傑作機シリーズには現物を確認できていない物がいくつか在ります。例によって何かご存知の方、教えて下さいお願いします。

まずは本題に入る前にジャブから...写真Aは1/72傑作機シリーズNo.4疾風ですが、写真Bは何でしょう?って単なる裏焼きの上げ足取りです。失礼しました。

大きな謎その1...写真C
ご覧の様に「彩雲」ですが地上滑走路?にいるのがミソです。この箱絵の製品が存在したかが謎です。持っていたという未確認情報が2件程あります。(実存確率50%?)

大きな謎その2...写真D
1/50の99艦爆ですが迫力満点の小松崎画伯のボックスアートです。1965年5月発売と予告されながら、その通りにはいかなかったフシがあります。(手持ちの資料では発売は1966年7月)輝くタミヤニュース創刊号(1967年1月号)の「これだけは作ろう」に出てくるのですが、そこに一緒に写っているボックスアートはお馴染みの白箱2面図です。(実存確率20%?)

大きな謎その3...写真E
1/50飛燕の高荷画伯のボックスアートです。原画は高荷先生の写真集にあるので確認されているのですが、タミヤ1/50飛燕と言えば白箱の2面図がポピュラーで、初版は小松崎先生の夕映えを飛ぶ黒箱版です。その中間にあたるこの高荷版はしっかり持っていると言う人が確認できてます。でも助手本人はまだ現物を見た事がありません。(実存確率85%?)

今回は本当にわかりません。ただ「飛行機」は保存されている方が多いので何か情報はないでしょうか?


などと言っていたら、とんでもない方から情報を頂きました(1999/10/22)。この論争は半年経って打ち止め決定です。情報の主は誰あろう高荷義之画伯本人です!!

大きな謎その1...写真C
製品化されていません。新ロゴのもう一つの高荷パッケージ版をお持ちの方はインストをご覧下さい。滑走路でまさに飛び立とうとしているこの原画の白黒印刷があると思いますが、奥行きがもっとあるんですね。写真Cのレイアウトではカットされて見にくいのですが、滑走路の彩雲の向こうには一式陸攻と桜花が描いてあるのです。高荷画伯としてはこの滑走路バージョンを満足のいく作品として納品したのですが、程なくタミヤから「是非もう一枚違うバージョンを描いて欲しい」と依頼を受けました。滑走路の絵が悪いと言われたわけではなく、けげんに思いながらも飛行中の絵をもう一枚描いて納品したところそちらが採用されました。つまり滑走路バージョンはオクラ入りしてしまい、インストの白黒印刷でなんとか世に出されました。結局タミヤから細かい理由の説明もなく(むしろ滑走路バージョンも褒められたくらい)現在まで正式なところは判らないのですが、高荷画伯の仮説は的を射てます。それは同時期にハセガワが1/72で一式陸攻と桜花のセットを発売したのと無関係ではないだろうとのことでした。

大きな謎その2...写真D
聞きそびれました<(_ _)>。ただ高荷画伯の画集にある高荷99艦爆は、納品したけれどキット化されなかったそうです。

大きな謎その3...写真E
発売されていません。画伯本人の口からはっきり聞きました。納品してもキット化されないことは珍しいことではなかったようです。

(1999/10/22)