No.1 タカダさん作例
(タミヤ1/35B1bis RC改造プロジェクト)


な、なんとタカダさんはホントに「一晩」でここまで出来たそうです
投稿日付に注目・・・キットの発売日です(^_^;)

さすがに先行発売の前日入手らしいのですが、こうなることがわかっていたから、ワタシはフライング作例の禁じ手に出たのです・・・。ターレットリング内のランナーが付いたままというところにプライオリティーの強さが現れていますね。

2006/06/10(Sat) 14:28投稿


タミヤB1bisの全国発売は6月10日(土)。発売後に、私も末席に籍を置く「可動戦車愛好会」のメンバーが続々と改造作例を可動戦車模型愛好会画像掲示板に投稿してくださいました。ここでご本人に許可を頂き、再掲載させていただきます。

まずトップを切ったのは予想通り「タカダ」さんでした。7〜8年前でしょうか、アーマーモデリング編集部に1本のビデオテープが送られて来ました。再生してみると唖然呆然・・・連結キャタピラをゆっくり動かして、タミヤ1/35の九七式中戦車が走っているではありませんか!今でこそ当たり前(?)になってしまったカステンのキャタピラにピンバイスで穴を開け真鍮線を通すという作業を最初期に実践なさった方です。すぐにひのき隊長に連絡を取り、めでたくも可動戦車愛好会にメンバーとしてお迎えできました。

タカダさんの特徴は、作業の早さ、独創性、トイラジ・連結キャタピラ・サス可動にこだわるといった特徴があります。では本人のコメントを交えて紹介していきましょう!

いつだったか助手さんの書き込みに、「このタミヤの新製品は一晩で可動化できるのでは・・・。」との提案があったと記憶していますが、一晩作業でやってみました。静岡ではリモコン可動仕様の助手さんの作品が展示されていましたが、これはトイラジ利用のRC可動です。

市販のギアボックスは使わずに、ウォームギアを巧みに使いギアボックスを自作なさってます。冗談抜きに100作以上のラジオコントロール戦車改造をなさっているだけに、作業が早く確実です。もちろん作業が早いだけではありません、上記の投稿は2枚組み画像投稿で、もう1枚には衝撃的なシーンが写し出されておりました↓。


サスも効きます。と言ってもストロークが1mm程度で全く目立ちませんが、
これは再現には苦労しました。



な、なんと!サスペンションがちゃんと効いています!これが「タカダ一晩」作業です(^_^;)
これがサスペンションの仕掛けです。ピアノ線でテンションのかかったプレートが、スカート部分の溝を突き抜け転輪3軸を1セットとして押さえつけています。3軸セットのこの方法はルノーFTの第1〜3転輪の3軸セットのサスペンション方式で経験済みでした。しかし実車の記録写真をいくら見ても、この戦車のサスペンションに意味があったとはどうも思えません。いつか機会があったらサス無しの助手さんのB1と私のB1と走行性能を比べてみたいものです。

2006/06/10(Sat) 21:31投稿



いえいえ、ワタシのいいかげんな作例は、一瞬「オオッ!」と言わせるだけが目的でして・・・(^_^;)
***道半ば***

走行試験をしています。不整地で旋回させるとキャタピラが外れやすいです。いくつか解決法を試しています。

2006/06/11(Sun) 16:40投稿



恐るべし、タカダ研究室。あれからわずか1日で走行試験に入っています。こうした地道な実地試験が静岡ホビーショーなどでの「丸2日間完全可動」を生んでいるのですね。

あっという間にカタチになってしまったタカダ先生の改造教室ですが、その後ワタシからの矢継ぎばやの質問に懇切丁寧に図解入りで説明してくださいました。

そしてそれにとどまらず、あくなき研究を重ねてわずか5日間で「最終回答です」という投稿があり、何事も無かったように次のM24チャーフィーの作例に移っていかれました・・・(^_^;)。


***こんな方法も1***

これだけの工作で、不整地の旋回でもキャタピラは外れなくなります。

2006/06/11(Sun) 22:24投稿



タミヤのキャタピラは驚異のパチパチはめ込み式ですので、ある程度動かしていると接続部分が磨り減り、「伸び」が出てきます。それを考慮した上で、事も無げに「機動輪を前へずらす」書かれているところが素晴らしい。その前方へのずらし方もすぐに公開されるのですが、わかってみれば「そ、それでいいんですか!」というシンプルな方法になっていることに長い間刻まれた経験がヒシヒシと感じられます。

いかにスムーズに回るかに苦心する転輪も、両端の転輪に関してのみは「回転させずに接着し、内側のリムを削ることによりキャタピラガイドに徹する」という自由な発想には、ただただ驚くばかりです。そしてここまでがわずか48時間内で終わっていることに改めて驚かされてしまいます。
***こんな方法も2***

 起動輪の内側の歯を削り取ります。特にキャタピラ側にガイドが無く、キャタピラの連結部分に遊びの多い模型戦車の場合、キャタがずれて外れそうになるのはやむを得ません。そこで大切なことは、そのずれを走行中に正常に戻してしまう復元力を足回りに持たせる工夫をすることではないかと思います。キャタピラが少しずれたからと言って起動輪がキャタピラと噛んでキャタピラを切断してしまうようなことは避けるべきです。大昔の初代タミヤリモコンパンサーのゴムキャタピラにはセンターガイドなどはなかったと思いますが、走行中にキャタピラが外れることはほとんどありませんでしたよ。そのための工夫の一つです。
 それから第一転輪と最終転輪はサスも固定で回転もしません。それでも走行上の抵抗は無視できるほどです。だってこの戦車は上部のサポートローラーもないのですよ。
 それから誘動輪の位置をずらしてキャタピラの張りを調整する件ですが、助手さんのB1はビス止めギアーの起動輪を後ろに1mmもずらせばキャタピラのコマ1個分くらい調整できますよね。
 それから実車写真を見ると転輪のリムは転輪の内側にも付いているようですね。

2006/06/13(Tue) 21:16投稿



先の投稿から23時間後・・・またまた驚くべき発想が示されました。2列平行にダブルスプロケットになっているギザギザを「1列削ってしまおう」というのです。一瞬奇をてらった行為にも見えますが、理由を説明されれば納得します。何よりも「外観をつぶさない」というタカダ哲学にもしっかりマッチしており。外側のスプロケットが残されているので、キャタピラを履いている限り、外観からは全くわかりません。(なお、比較のため、この画像のみは当研究室のノーマルスプロケットホイル画像を追加する加工を行っています)。
車体は3分割します。可動戦車模型の場合はどうしてもメンテナンスが必要になりますので、ここまでの分解は必要になります。それからトイラジはラジカンのものを使いました。驚くことに、このRCメカは単三電池1本でも動きます。夜中などテーブルの上でのそのそ走らせるにはちょうど良い速さになります。

2006/06/13(Tue) 21:33投稿



分割方法も個性的です。当研究室の拙作は上下2分割ですが、こちらは3分割。モーター部分を車体下部ではなく、車体側面に固定する自由な発想にも驚かされます。
***最終回答です***

ピアノ線の弾性で誘動輪にテンションをかけます。ピアノ線は曲げ具合で容易に誘動輪の位置を調整できます。キャタピラが伸びてきたら誘動輪を前に出し、もっと伸びてしまったらキャタピラを一コマ詰めて誘動輪を後ろに下げます。そのうちにフリウルやカステンからキャタピラが出そうな気がしますので、その後のことはそれから考えます。ちなみにピアノ線の固定はゼリー状の瞬着を盛りつけ硬化スプレーの一吹きで固着します。
 ○○さん。高いプラモデルですがけっこう楽しめました。元は取った気分です。

2006/06/14(Wed) 20:50投稿



あっという間に最終回答が出てしまいました(^_^;)。「ロードホイルを前方に出す」仕組みの公開です。タミヤのロードホイルの支柱は直径2.5mm程の太い物ですので、これを前後させるのは大変だと思っていたのですが、なんとその支柱そのものにピンバイスで穴を開け、支柱は細いピアノ線1本にしてしまうのです。しかもピアノ線自体を曲げて車体に接着することにより、シンプルかつ確実な動作が可能になります。

タカダさんにとってはタミヤのキットは出来が良すぎたのでしょう。わずか5日間しか悩ませることが出来なかったようです。「元は取った気分」・・・でも、良くわかります。だって素晴らしいキットですから・・・(^^♪
つたない作例ですが、よろしければ転載お願いいたします。世界に名だたる助手さんのHPの、リモコン改造記事の余白にでも載せていただければ光栄です。

2006/07/02(Sun) 15:24投稿



「可動戦車模型愛好会画像掲示板」に載っている画像を、ご本人に再掲載の依頼をしたところ、快く承諾していただけました。コントローラーが傍にあるので、トイラジであるのが良くわかりますね。大き目のギアとウォームギアとの組み合わせで、ゆったりと走るのがわかります。ちなみに動力は単3電池1本だそうです。