私の思い


当ホームページの掲示板に「古い物ばかり、いたずらに懐古趣味にならず、新しい良いキットに目を向けては...」といった内容の書き込みが有った事があります。

それに対して当研究室助手が一生懸命答えたのが次の文章です。これは当研究室の根幹の思いですので、ここに再録させて頂きます。




ご意見有り難うございます

幼少の頃の模型との出会いは、誰もが同じようなものだと思います
その時の思いを大切にしたいというアプローチのベクトルの違いでしょうか

戦車のプラモデルを買ったらそれにはシリーズがあり
それを揃え始めていったら、いくつかは既に絶版になっていた
どうしてもそれが欲しくなってしまった
そんなきっかけです

昨今の目を疑うような高騰は確かに問題が多いと思います
ただ、私の探している物は値段ではなく
まず、持っている人に会える事、
そしてその方とどういったコミュニケーションがとれ、
人としてお付き合い出着るかといった感じになってます
自慢じゃないですが個人として金銭的利益を上げた事は一度もありません。

単に古いだけで価値を与えてる訳でも無いですし
出来の悪いキットは世の中から抹殺してしまえと言うのもどうでしょう
モデラーは正義でコレクターは悪という議論は20年以上前からあります
タミヤ本社の歴史館に初めて足を踏み入れた時の
皆さんの素直な第一印象はいかがでしょう?

私は、まずもちろん感動し、次に
「お上にこうやってあればいいじゃないか、自分は何をやっているのだろう」
と、しばらくの間、落ち込んでました
ただ、歴史館も完璧でなく、揃ってないキットもいくつかあり
その中で自分が複数所有している物は寄贈しました
また、「このキットはこの隣に並ぶはずなのになぜ?」
といった細かい事も気になりだしました

例えば阪神タイガースの球団史を作れと言われたら
球団職員が職務として倉庫の資料を調べて作るより
熱血ファンやマニアが作った方が正確さは劣るかもしれませんが
より血の通ったものが出来るのではないでしょうか
もちろんタミヤの社員をどうこう言いたい訳ではありません念のため

世に散逸してしまいそうな情報をなんとか留めておきたい
という考古学的な価値を最近は見い出しております

欧米ではアンティーク模型コレクターというのは
大人の趣味として確立しております
日本の模型コレクターの第一人者と言える平塚さんに初めてお会いした時
「私はコレクターですよ」と
何のためらいもなくおっしゃったのがとても新鮮で
「別に悪い事をしている訳でもないんだから
もうちょっと表に出ていこう」と思い直したのがきっかけで
今回のようにホームページ公開まで来ているのです

長くなりましたが私の発言の基本も
「やっぱりプラモデルが好きなんだ」
と言う事で○○さんとなんら変わりはありません

この掲示板への初めての「いかがなものでしょう」発言ですので
誠意を持ってお答えさせて頂きました
このところ、自分の更新ページと世の中の「温度差」を少なからず感じ、
反省していた事もあり、○○さんの意見は本当に有り難く頂戴します